新人看護師へ
看護師にとって診療報酬は働きやすさに直結するため、情報は逃さず収集しておかなければなりません。ですが、診療報酬について正しく理解している人はどれくらいいるのでしょうか。特に新人看護師にとっては理解しにくい部分も多く、改定前後の違いが分からない人もいるかもしれません。ここでは新人看護師にも分かりやすいように、診療報酬の基礎や改定の大まかな流れを説明しています。特に働き方改革は重視したいポイントなので、どのように変化したのか、しっかり把握しておきましょう。
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なぜ診療報酬が必要なのか
診療報酬とは、患者さんを診察・治療した病院や薬を処方した薬局が医療行為の対価として受け取るものです。ですが、患者さんが支払うのは1割~3割で、残り7割は患者さんが加入している国民健康保険や健康保険組合、全国健康保険協会などが支払います。もし患者さんが全額負担することになったらどうなるのでしょうか。治療費が高額になるため、病院を受診したくてもできない人が増え、医療の仕組みそのものが崩れてしまいます。
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改定の大まかな流れ
診療報酬改定は中医協と内閣、社保審の三者で議論を交わして内容を決定していきます。ただし、それぞれの立場が異なるため、お互いに全く異なる意見を主張することになります。診察側が「現場は赤字だからもっと予算が欲しい」と主張しているのに対し、支払い側が「節約できる部分は節約して欲しい」と主張している場合、意見が合わず平行線の議論を交わすことになります。その場合は調整役である公益側がそれぞれの主張を反映した新たな案を出して調整することになります。
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働き方改革の動き
今回の診療報酬改定では看護師の働き方にも着手していますが、これにより看護師に求められる役割がさらに多様化することが分かりました。これからの医療業界にとって看護師が将来に渡って安心して働き続けられる環境を作ることは大変重要です。なぜなら、今後は今以上にチーム医療が浸透すると考えられているからです。チーム医療の中心となる看護師に課せられる役割は多く、患者さんの健康が守られるかどうかは看護師の心身の状態に大きく左右されるといっても過言ではありません。