2020年に行われた改定のポイント
2020年の診療報酬改定で、どのような点が変わったのでしょうか。大幅に変わった点はありませんが、いくつか気になる部分がありました。どのような内容なのか詳しく説明します。
「かかりつけ評価を強化」
2020年の診療報酬改定では「かかりつけ医機能の強化」と「重症化予防に関する点数」が見直されました。これは在宅医療のニーズが継続して高まっていることが影響しています。しかし、大幅に内容が見直されたのではありません。前回の改定の変更点にてこ入れをした程度です。
かかりつけ医機能とは、かかりつけ医が連携医療機関の協力を得ながら在宅医療を行い、患者さんと24時間の連絡体制を確保することです。これまではかかりつけ診療料を加算するには「かかりつけ医機能がある病院や診療所であることが見やすい場所に提示されていること」と定められていましたが、2020年の診療報酬改定では「かかりつけ医機能がある病院、診療所であることを記載した書面を院内に置き患者さんが気軽に持ち帰れるようにすることや。問い合わせがあった人に交付すること」などが追記されました。これはかかりつけ医の周知や普及を目的としています。また、「必要に応じて専門の医療機関への紹介を行うこと」も追記されたため、診療情報提供料も診療報酬項目に追加されました。
「オンライン診療の規制緩和」
今回の診療報酬改定の中で注目を集めたのがオンライン診療の規制緩和です。患者さんの安全を保ちつつ、対面受診の役割を持つオンライン診療は新型コロナウィルスの影響もあり大いに注目を集めました。今回の改定では、緊急時対応時にオンライン診療を担う病院の体制を確保し、急変時に患者さんが速やかに対面受診できる医療機関を事前に説明する形に緩和されました。実施方法や対象疾患が拡大されたことにより、慢性疾患の患者さんのフォローも継続的にできるようになったのです。
「妊婦加算廃止」
2年前の2018年の診療報酬改定で妊婦加算が導入されましたが、眼科や耳鼻科など産婦人科以外であっても妊婦さんであれば無条件に会計が加算されるなど、世間から大きな批判を受けていたため、2019年の1月に凍結されました。
このような背景から2020年の診療報酬改定で妊婦加算は廃止され、その代替措置として、紹介元の産婦人科に妊娠さんの診療情報の提供に関する項目が新設されました。
「働き方改革」
今回の改定では働き改革についてもいくつか見直されました。診療報酬改定の対象は医師であることが多いのですが、今回の改定には「看護助手を多く配置している病院には加算が付く」「夜勤後の休日の確保」など看護師にかかわる内容も盛り込まれています。ただし病院によって扱い方が異なる可能性があります。
まとめ
上記で紹介した点以外にも変更された部分はあります。詳しい内容は厚生労働省のサイトで紹介されているので参考にしてみてください。
2020年度の診療報酬改定の基本方針が紹介されているページです。読みやすく整理された概要も掲載されていますので、気負わずに理解を深めることができます。 |