診療報酬改定について
2年に一度のペースで行われる診療報酬改定は中医協と内閣、社保審の三者が議論を重ねて決定していきますが、下準備は1年前からスタートしています。まずは中医協が課題を集め、内閣が基本方針を決定します。その後社保審が具体的な内容を議論し、中医協が詳細を詰めていきます。2020年度の診療報酬改定ではオンライン診療や妊婦加算、看護師の働き方改革に言及していました。特にオンライン診療は新型コロナウィルスの影響もあり、前倒しでスタートしました。
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改定の大まかな流れ
診療報酬改定に向けての準備はまず、中医協と呼ばれる中央社会保険医療協議会が課題を整理・調査するところから始まります。その後、内閣が基本方針を決定し、それに沿って社保審と呼ばれる社会保障審議会が具体的な内容を議論します。12月には国の予算が決まるため、具体的な内容を考慮しながら中医協が詳細を詰め、2月に厚生労働大臣に方針を報告します。
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2020年に行われた改定のポイント
2020年度の診療報酬改定で変わった点をまとめています。今回の改定では在宅医療の高まりを受けて、「かかりつけ医機能の強化」と「重症化予防に関する点数」が見直されました。しかし内容が大幅に変わったのではなく、現在の状況に歩み寄った程度にとどまりました。また、世間の批判を受けて凍結していた妊婦加算が正式に廃止となりました。他にも改定されたポイントがありますが、詳しくは厚生労働省のサイトを参照してみてください。
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コロナ関連(オンライン診療料)
新型コロナウィルスの影響で特別に活用が認められたのが「オンライン診療」です。電話やスマホ、タブレットなどで診察するオンライン診療は直接対面せずにすむため、患者さんはもちろん、医師や看護師も感染するリスクが下げられるとして大いに注目を集めました。オンライン診療はもともと慢性疾患の患者さんが継続して処方されていた薬が必要になった場合のみ活用できるものでした。その後、新たな薬も処方できるようになりましたが、初診の患者さんも対象とできるように改訂されたのは緊急事態宣言が出た後でした。