知っておきたい診療報酬基礎知識

診療報酬の「基本」を分かりやすく解説!

診療報酬改定によって看護師の働き方も変わる

働き方改革の動き

働き方改革の動き

2020年の診療報酬改定でようやく看護師の働き方改革に着手するようになりました。ここではどのように変わるのか、分かりやすくまとめていきます。

オーバーワークが以前から問題視されていた

オーバーワークが以前から問題視されていた

2020年度の診療報酬改定では「働き方改革」も取り上げられました。これによりどのような影響が出るのでしょうか。
まずは「総合入院体制加算」です。総合入院体制加算とは、総合的かつ専門的な入院医療を24時間体制で提供できる病院を評価した加算です。総合入院体制加算を算定するには、「外来診療時間の短縮に取り組んでいる」「院内保育所の設置」「医師事務作業補助者を配置している」「勤務医の時間外勤務や休日・深夜対応の負担軽減」「看護補助者を配置している」の5項目のうち2項目以上を満たさなければなりませんでしたが、2020年度の診療報酬改定で「特定行為研修を修了した看護師を複数人配置する」「院内助産または助産師外来の開設」の2項目も追加されました。これにより全7項目中3項目以上満たした場合に、総合入院体制加算を算定できるように変わったのです。

「夜間の看護体制」

「夜間の看護体制」

入院設備のある病院では日勤だけではなく夜勤もありますが、夜勤は日勤と比較すると人数が少なく責任も重くなるため、看護師に大きな負担がかかっています。夜間看護の負担を軽減するために、今回の診療報酬改定では夜間看護体制加算や看護職員夜間配置加算を算定する項目が追加されました。具体的な内容は「夜勤後の暦日の休日確保」や「柔軟な勤務体制」「ICT・AI・IoTなどを活用して業務の負担を軽減すること」です。
夜間看護体制加算や看護職員夜間配置加算を算定するには、全11項目のうち2~4項目以上を満たせばよいとされているため、必ずしもすべての項目に取り組まなければならない、というわけではありません。ですが、今後を見据えると、病院側としても看護師の夜間看護の負担軽減に積極的に取り組んだ方がよいとされています。

今後はどうなるのか

今後はどうなるのか

今回の診療報酬改定で看護師に求められる役割がますます多様化することが示されました。今後は看護師の負担軽減に向けて様々な取り組みが行われることでしょう。これまでは個々の責任感や倫理観に頼った運営でしたが、「働き方改革関連法」が随時施行されるに伴って看護師の働き方も少しずつ見直されていくと考えられます。
日本看護協会でも、「看護師が生涯に渡って安心して働き続けられる環境を構築し推進すること」を目標として掲げています。看護師はやりがいがあり、将来性も高い仕事ですが、生活リズムが崩れやすく身体的にも精神的にもハードな仕事です。チーム医療の中心となる看護師が健康に長く働き続けられるような環境であることが求められているのです。

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