知っておきたい診療報酬基礎知識

診療報酬の「基本」を分かりやすく解説!

診療報酬改定の流れとは

改定の大まかな流れ

改定の大まかな流れ

診療報酬の改定は2年に一度、行われています。直近の診療報酬改定は2020年です。どのように改定が行われるのか時系列に沿って整理していきましょう。

1年前からスタート

1年前からスタート

診療報酬改定は、約1年前から中央社会保険医療協議会(中医協)と内閣、社会保障審議会・医療保険部会・医療部会(社保審)の三者で議論を交わします。
まずは前年の4月に中医協が課題を整理したり、調査したりします。詳細な議論は、国の予算や基本方針が決まった後に行うため、中医協が行うのは改定に向けた下準備です。その後、6月ごろに内閣が基本方針を決定します。基本方針は政策の基本骨格ともいわれていますが、それは骨太方針に従って、各省庁が政策を作り上げていくためです。診療報酬の方向性もこれに従います。2020年の診療報酬改定のテーマである「医療従事者の働き方改革」や「オンライン診療の推進」も2019年の基本方針に記載されていました。
そして9月になると6月に決定した方針をもとに診療報酬改定について議論します。具体的な内容は12月までに決めます。また、12月には内閣でも国の来年度予算が決定するため、診療報酬全体の改定率も決まります。12月に社保審が決めた具体的な内容と内閣が決めた予算、この2つをもとにして、1月に中医協が詳細を議論します。2月には厚生労働大臣に方針が決定したことを報告し、3月に病院などの医療機関から疑問点を受け付けて回答する疑義解釈を行います。議論開始から実質1ヶ月程度の期間で決定させる必要があるため、1年も前から準備を始めているのです。

立場によって意見が異なる

立場によって意見が異なる

中医協は「診察側」「支払側」「公益側」の3つの立場の委員で構成されています。それぞれの立場で議論するため、主張が全くかみ合わないことも珍しくありません。
診察側が「現場は赤字で苦しんでいるのでもっと予算が欲しい」という意見を主張したとしても、支払側が「国は医療費が増大して苦しい。節約できる部分は節約して欲しい」と異なる意見を主張し、対立してしまうことも少なくないのです。その場合は両者の意見を調整する公益側が「落ち着いてください。公益的な視点ではこうしたほうがいいと思いますよ。」と双方の意見を反映した案を主張します。しかし、ここで注意したいのが「三者三様、主張が全く違う」ということです。そのため、診療報酬改定のニュースを確認するときは「誰の発言」なのかに注目してみることをおすすめします。

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